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親知らず、抜歯するケースとしないケース

人間の歯の名称と、その役割について

今回の歯のコラムは、誰もが知っている『親知らず』について書いていきたいと思います。
とても有名な『親知らず』ではありますが、意外に正しく理解されていない場合もございます。
『親知らず』を知っていただく前に、まずは、人間の歯の構造と、1本1本の歯の役割について説明していきます。

人間の歯は、上の歯が16本、下の歯が16本の合計32本で構成されています。それぞれ、お口の中央から数えて、左右均等に8本ずつ並んでいて、それぞれの部位によって役割が異なるのが特徴的です。
下記に、人間の歯の名称と役割について簡単に説明しますのでご参考ください。

まず最初に、人間の永久歯の数についてです。
前に述べた永久歯の数ですが、上下併せて32本と書きました。しかし、これには語弊があります。
上下の一番奥にある『第3大臼歯』は生えてこない人がいます。また、生えてきたとしても正常に生えてこなかったりするため抜歯に至ってしまう場合もあります。そのため、この上下4本の第3大臼歯を永久歯の本数に数えずに、永久歯は28本とする場合もあります。

この第3大臼歯こそ、私たちが知っている『親知らず』なのです。
まずは最初に、親知らずの位置を把握しておきましょう。

それでは、下記に簡単に、それぞれの歯の役割について説明します。

(1)切歯

切歯は歯の中央とその隣に位置し、これら2本を中切歯・側切歯と呼びます。そのため、切歯は上下で合計8本あります。
これら切歯は、食べ物を切ったりちぎったりする役割を持っています。

また、お顔の中心にあるため、顔の印象に深く関与し、発生などにも大きな影響を与えます。

(2)犬歯

犬歯は、中央から3番目の歯です。尖った歯の形をしています。非常に強度があり、噛む時の前歯と奥歯への負担を軽減してくれます。

(3)臼歯

臼歯は上下あわせて20本あります。小臼歯と大臼歯があります。食べ物を噛み潰したり、すりつぶす役割を持っています。小臼歯などは噛み合わせなどに、重要な役割を担います。そして、この歯列の一番奥、第3大臼歯が『親知らず』です。踏ん張った時や力を出すときなども噛みしめるのも、これら臼歯が大きな役割を担います。

親知らずの何が問題か?

それでは、ここからは『親知らず』の問題についてご説明していきます。
人間の永久歯は、だいたい15歳前後に生えそろいます。しかし、この『親知らず』だけは、10代後半から20代前半に生えてくる歯です。
そのため、親に知られる事なく生えてくる歯として、別名『親知らず』と言われます。(また、『智歯』とも言われます)

そして『親知らず』が問題なのは、その生え方です。
正常に生えてこず、部分的に歯肉にかぶったまま生えてきたりしてしまうのです。そういう生え方をしてしまうと、歯肉の炎症を起こしてしまいやすくなります。これらを智歯周囲炎と呼ばれます。

このように、智歯周囲炎を何度も繰り返してしまう場合は、抜歯という選択肢を選ばざるを得なくなります。また、正常に生えている『親知らず』の抜歯は比較的簡単ですが、生え方によっては、非常に抜歯が困難なケースもあります。炎症の状態や全身状態を確認しながら、『親知らず』の抜歯を検討する必要があります。

親知らずを抜いた方が良いケース

ただし、一言で『親知らず』と言っても、抜いたほうが良いケースと抜かなくても良いケースがあります。
まずは、現在の『親知らず』の状態を見極めて検討する必要があります。
それでは、『親知らず』を抜いた方が良い場合について説明します。

『親知らず』は、一番奥の歯です。
そのため、歯磨き時のブラシが届かず不衛生になってしまいがちです。そのため、『親知らず』が虫歯になってしまうケースがあります。
そのため、『親知らず』が虫歯になってしまった場合には、抜歯した方が良い場合が多いです。特に、第3臼歯の手前の歯である、第2臼歯まで虫歯が広がってしまっている場合などは、特に第2臼歯の心配をしなければなりません。

あと、横向きに生えてしまっている『親知らず』も抜歯になる確率が高いでしょう。横向きに生えてしまっていると、前述した智歯周囲炎になりやすいのです。また、横向きに生えてしまっている場合も、その手前の第2臼歯に影響を与えてしまいますので、第2臼歯を救うためにも抜歯になる確率が高いです。

その他、食べ物が詰まりやすくなっていたり、腫れや痛みが繰り返される場合や膿が溜まってしまっている場合も、やはり抜歯になってしまいます。

親知らずを抜かない方が良いケース

それでは、もう一方、『親知らず』を抜かずに様子観察するケースについて説明します。

『親知らず』を抜かずに様子を見るケースは、上下の噛み合わせが合っていて、正しく生えている場合などです。
その場合は、無理に抜歯せずとも、特に問題が生じないため、そのままにしておく場合がほとんどです。

また、前述した『親知らず』の抜歯するケースの中で、『親知らず』が半分埋まっているケースについて説明しました。逆に、『親知らず』が完全に歯肉の中に埋まっていて、特に炎症も起こらずトラブルが見当たらないようであれば、そのままにしていく場合もあります。

さらに、ブリッジや矯正治療などで、『親知らず』を必要とする場合も温存します。ブリッジをかけるための歯として『親知らず』が活用できる場合などです。歯並びを矯正するための矯正歯科治療で、『親知らず』を正しい位置に移動できる場合もあるため、その場合は抜歯せずに温存します。

親知らずで困るのは痛みや腫れ

以上のように、『親知らず』について簡単に説明してきましたがいかがでしたでしょうか?

『親知らず』というのは、第3臼歯という一番奥の歯で、あってもなくても噛合せには影響しない歯ではありますが、その生え方や炎症の有無によって、問題やトラブルを起こしやすい歯であるという事を知っておいていただければと思います。

特に、一番奥の歯であるため、清潔を保つのが難しいという事も理解しておいていただければと思います。

ご自身の『親知らず』が正常であるか無いかは、ご自身で判断しにくいと思っています。
そのため、定期的に歯科医院に通うことで、ご自身の歯の構造や問題を早期に発見出来ると思いますので、やはり定期的に歯科医院に通っていただくのが最も大切だと思っています。

やはり『親知らず』で一番困るのは、虫歯になってしまったり炎症を起こしてしまう事による痛みや腫れです。ひどくならない前に対処することをお薦めいたします。

『親知らず』についても、お気軽にいしかわ歯科にご相談いただければと思います。

投稿日:2018年5月8日  カテゴリー:歯のコラム

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