連日猛暑の日本列島

今年の猛暑は日本列島全体を覆い、全国的に気温の高い日が続いています。
この猛暑の原因は、上空1万5,000メートルでチベット高気圧が張り出し、その下の上空5,000メートルでは下降気流が生じ、地表の空気が圧縮され、その下では勢力の強い太平洋高気圧が猛威を奮っていて、座布団を重ねたようになっているせいだということですね。

普段の夏では考えらないくらいの気温上昇に、体がまいってしまいます。

この連日の猛暑で、全国的に熱中症患者が急増しており、死者まで出てしまっています。様々なメディアでは、熱中症予防にはじまり、熱中症の症状を早期に発見するよう啓発されていますが、それでも、連日熱中症で搬送される方々は後をたちません。

とにかく、熱中症予防には水分補給と体温調整、こまめな休憩に加え栄養をしっかりとり睡眠不足の無いよう生活のリズムを整える事が重要です。抵抗力や体力の無い高齢者や子供は、特に気をつけなければなりません。

そこで、今回の歯のコラムでは、この熱中症予防(対策)の中でも、水分補給について説明しつつ、歯科領域の観点から注意事項についてまとめてみたいと思います。

熱中症とは

それでは最初に、熱中症とはどのような状態であるかについて簡単にまとめます。
熱中症とは、高温多湿な環境に私たちの体が適応できない状態をいい、その結果、様々な症状が発生する事を指します。

通常、私たちの身体は、なにかしらの影響で体温が上昇すれば、放熱することで身体の中の体温を調整しています。しかしながら、あまりにも高温多湿な環境で長時間過ごしてしまうと、このバランスを崩してしまいます。それにより、体外への熱放出が追いつかなくなり、様々な身体の不調が起こります。

熱中症に対する適応能力には個人差があり、なりやすい人となりにくい人がいます。特に、幼い乳児や幼児は、新陳代謝が活発な上に汗をかく汗腺の発達が未熟です。大人と比べると、容易に熱中症になりやすいので、特に注意が必要です。さらに、80歳以上の高齢者も注意が必要です。高齢者は、暑いと感じる感覚が、分かり世代と比べると鈍感になってしまうと言われています。若い人たちよりも、暑さを実感するのに時間がかかるため、気づいたら熱中症になっていたという事もあります。
このように、子供や高齢者は、特に熱中症に気をつけなければなりません。

さらに、熱中症の症状は段階的に起こります。
『一般財団法人日本気象協会』の『熱中症ゼロへ』というサイトを参考に簡単にまとめます。(https://www.netsuzero.jp/learning/le01

1.めまいや顔のほてり

めまいや立ちくらみ、顔がほてるなどの症状は熱中症の初期症状。すぐに涼しい所に移動し、適度な水分補給をしながら、首筋や脇の下を冷やす行動を取る必要があります。

2.筋肉痛や筋肉のけいれん

手足の筋肉がつるなどの症状は熱けいれんと呼ばれます。水分のみならず塩分などの補給も必要になります。

3.体のだるさや吐き気

体がだるくなり、吐き気やおう吐、頭痛などが起こります。

4.汗のかきかたがおかしい

後から後から汗がでたり、全く汗がでなくなるというのも熱中症の症状です。

5.体温が高い、皮膚の異常

身体が熱く赤くなっているという状態も熱中症の症状です。

6.呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない

意識がなくなり、まっすぐ歩けないなどの症状は、非常に重篤な熱中症の症状です。すぐに医療機関の受診が必要です。

最低限、これらの熱中症の症状は覚えておく必要があります。

熱中症予防の水分補給

それでは次に熱中症予防の水分補給についてです。
当然のごとく、汗をかいた分、それを補給する水分が必要になります。気温がそれほど高くない季節の場合は、喉が乾いた時に水分をとればよいのですが。高温多湿の環境に長時間いなければならない時などは、喉が乾いてから水分をとっては遅すぎます。

ただし、一気に水分をとってしまうと、体内の電解質バランスが崩れますので、こまめに水分を摂取してください。さらに、熱中症予防には、水分のみならず塩分やミネラルの補給も重要です。汗でこれらが体外に出てしまうからです。

よって猛暑の時には、食事はきちんと摂取しなければなりません。食事で適切な塩分を摂取する必要があるからです。

そして、ここからは、歯科領域に関わるお話に進みます。
熱中症予防ということで、水分補給にスポーツドリンクや甘い炭酸飲料を飲む時には注意が必要です。
熱中症予防には、適度な塩分と糖分が必要ですが、スポーツドリンクや炭酸飲料は糖分が多すぎるので、がぶ飲みには向いていません。

特に、甘い飲料水をこまめにダラダラ飲むことで、虫歯のリスクが高まってしまいます。そういう意味では、適度に摂取する分には良いですが、常に甘いスポーツドリンクを飲むのは控えたほうが良いでしょう。

糖分の多いドリンクを大量に飲み続けると、お口の中が酸性に傾いてしまいます。酸性に傾くと、酸蝕歯といって、歯が溶けてしまうような症状も起こりやすくなります。もちろん、虫歯リスクも同様です。よって、熱中症予防で水分補給をする時は、お水や麦茶などが好ましいです。これは注意が必要なので覚えておきましょう。

特に、熱帯夜が続く場合、夜、就寝前にも水分を補給したりしますが、この場合も甘いスポーツドリンクなどは避けた方が無難と言えます。

この夏、まだまだ猛暑が続くという天気予測になっています。
熱中症予防を心がけつつも、その際には、虫歯や酸蝕歯にならないような水分補給に努めていただけると幸いです。

もちろん、虫歯が気になった場合には、早めに歯科医院に相談しましょう。早期発見・早期治療が重要です。