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お口の中が乾燥する病気、ドライマウスを知る

唾液の役割を知ろう

皆さんは、『ドライマウス』という言葉を聞いた事はありますか?
その名の通り、お口の中が乾燥する病気なのですが、誰でも、大なり小なり、過去になんとなくお口が乾燥した経験があるのでは無いかと思います。

しかし、この『ドライマウス』という症状は、明らかに異常所見ですので軽視することはできません。これを機に、改めて『ドライマウス』について知っておいていただけると嬉しく思います。

さて、『ドライマウス』を説明する前に、私たちのお口の中の唾液について知る必要があります。唾液というものは、あまりにも当たり前ですので、特別気にしたことが無い方も多いかもしれません。しかしながら、この唾液。お口の中では、とても重要な役割を担います。
それでは、下記に唾液の役割についてご説明します。

唾液は、私たちのお口の中で絶えず流れていて、お口の中の潤いを保つ役割を持っています。入れ歯に関するブログ記事でも書きましたが、唾液というのは、お口の中の粘膜を潤しお口の中を滑らかにする役割を持っています。更には、唾液には消化酵素であるアミラーゼが含まれており、糖質を分解し、吸収しやすくする役割も担います。

また、嚥下にも関与しています。食べ物を滑らかにすることで飲み込みやすくむせ難くしています。また、身体の中に入る、様々な細菌から身体を守る生体防御の役割や、お口の中を清潔に保つ役割も担っています。小さな虫歯ができても、唾液の力で再石灰化を促したりします。そうすることで、虫歯を悪化させない機能も担います。

このように、あまり気にしていないかもしれませんが、唾液というものは、お口の中で、私たちの身体を守る役割を担う大事なものであることを覚えておきましょう。

唾液が少なくなる病気

しかし、そんな働き者の唾液ですが、様々な原因により、その分泌量が低下してしまうことがあります。もちろん、原因は様々で、必ずしも一つとは限りません。しかし、唾液の分泌量が減ってしまうと、上記に述べた唾液の恩恵にはあずかれなくなりますので、私たちの身体は、問題が起こってくるのです。

この唾液が減少している状態を『ドライマウス』と呼びます。
最初は、なんとなく口の渇きが気になる程度の症状しかありませんので、軽視されがちです。しかし、ほおっておくと症状は深刻化していきますので、『ドライマウス』という症状があることを、しっかり知っておいていただけると良いと思います。

それでは、『ドライマウス』の原因と考えられるものを、少し上げておきます。

(1)ストレス

現代人は、とても忙しく、様々なストレスにさらされます。ストレスが強くなると、人は交感神経優位に働きます。血圧があがったり、呼吸が早くなったりするのです。これはストレスに対抗する人間の生理反応です。
その一つとして、唾液の減少が起こります。
『ドライマウス』はストレスの増加で起こります。

(2)薬の副作用

時に、薬の副作用でも『ドライマウス』が起こります。抗うつ剤や降圧剤、アレルギー薬などで唾液が減少することがあります。お薬の副作用で唾液減少が見られると説明を受けた場合には注意が必要です。

(3)加齢

加齢の生理的な変化としても唾液減少が起こります。高齢者の場合は、唾液が減少する傾向にありますが、あまりにも極端に『ドライマウス』症状が起こっている場合には、早めに専門医に相談する必要があります。

(4)飲酒や喫煙

お酒を飲む人やタバコを吸う人は『ドライマウス』になりやすいと言われています。タバコは交感神経を刺激しますので、上記と同じ理由で唾液の減少が起こりやすくなります。大量にアルコールを飲んだ場合も、身体が脱水に傾きますので『ドライマウス』になる場合もあります。

(5)口呼吸

口呼吸が癖になっている人は『ドライマウス』になりやすくなります。口呼吸を改善するだけで『ドライマウス』が治る場合もありますので、口呼吸の人は注意が必要です。鼻呼吸にする必要があります。

(6)咀嚼(そしゃく)が少ない

唾液は唾液腺からでてきます。唾液腺は顎の筋肉により刺激され、唾液を流出させるのです。よって、咀嚼回数が少ない人や顎の筋力低下等が起こると、必然的に唾液が少なくなるのです。顎の筋力の低下のある人や咀嚼が少ない人は『ドライマウス』になりやすくなります。

※ドライマウスの症状は膠原病の一つであるシェーグレン症候群でも起こります。

ドライマウスの予防法

『ドライマウス』というのは、意外にも気づかれにくい症状です。なんとなく口が渇くとか、口の中がネバネバするとか、口臭が気になるなど、あまり大事に思わない場合が多いのが特徴です。
しかしながら、お口の中というのは、常に唾液で満たされ潤っている状態が正常な状態です。

何もしていなくても、唾液が少なく乾いた感じがする場合には、『ドライマウス』であることを疑ったほうが良いでしょう。早めに専門家に相談してみると良いと思います。(歯科医院にご相談ください)

それでは、『ドライマウス』にならないように、日頃から気をつけるポイントを下記にご説明いたします。

まずは、上記で説明したように、唾液を促すポイントを考える生活をすることです。例えば、咀嚼が少なくなると唾液も少なくなると書きました。つまり、食事の時に、ゆっくり噛むだけでも唾液を促すことができます。1回につき、30回を目安に咀嚼すると良いと思います。唾液を促すためにも、あまり早食いにならないよう、ゆっくり食事を楽しみましょう。

そしてストレスです。
人間社会の中で、ストレスにさらされずに生きるのは、とても難しいことです。しかし、自分のストレスと上手く付き合うことで、交感神経優位の状態から、リラックスした副交感神経優位の状態に戻す努力をしましょう。

1日の終わりに、ゆっくりぬるめのお風呂に浸かる、アロマセラピーをする、身体を解きほぐして瞑想するなども効果があります。気の合う仲間と、ちょっとおしゃべりしながらお酒を飲むのもいいでしょう。ただし、深酒になると脱水傾向になり、逆に『ドライマウス』になりますので適量にしておくことがポイントです。

また、口呼吸の方は、できるだけ口呼吸を改善したほうが良いでしょう。

最後に、マッサージも効果的です、。
唾液腺のある『耳下腺』あたりをゆっくりマッサージします。耳下腺は耳の付け根、凹んだところが耳下腺です。ここを指で気持ち良いくらいにマッサージします。唾液が出てくるのを感じるはずです。お風呂に入ってゆったりとした気分で行うと、尚良いでしょう。

『ドライマウス』をほおって置くと、唾液による身体の影響が小さくなり、いつの間にか身体にマイナスの影響を与えてしまいます。唾液は当たり前のものと感じていた方も、改めてご自身の唾液の量やお口の中の渇きなどに注目してみてください。

また、あまりにも『ドライマウス』が気になる場合は、早めに歯科医院にご相談ください。いしかわ歯科では、ドライマウスのご相談を受け付けております。

投稿日:2018年5月16日  カテゴリー:歯のコラム

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